教員採用試験前日の夜に

さて、明日から教員採用試験が始まっていくわけだが、正直な話一切勉強をしていない。大学院での研究があり、勤務校での授業準備があり、時間がなかった。と言えばそうなのだが、時間を作ろうとすれば作れたかもしれない。

1番の理由は、「やる気がなかった」なのだろうと思う。教育に対するこの国の意識の低さに呆れてしまい、私立以外を考えていない自分がいるのだと思う。

 

国家たる要件に「領土」「国民」「主権」がある。この国の「国民」はとてつもない速度で減っていくだろう。今や「その年に生まれた子供」が100万人を切っており、「ベビーブーム」と言われた50年前の約半分にまで落ち込んでいる。「子供がいなければ、20年後の国民はいない」はずなのに、それでも児童に対する福祉の手当は雀の涙の方が多いほどだ。先日明石市長がTVに出て取り組みを紹介されていたが、とんでもない支援のおかげで人口が増えているとあった。それはそうだろう。産んでも助けてくれるんだから。

そして、いざ子供が生まれたとしても、教育に対してお金を全く払わないせいで、使い古された穴ぼこの机で、授業を受けるのである。高校からは自費負担も増え、大学以降は完全に自費で。奨学金は少ない。

 

この国は教育をなんだと思っているのだろう。娯楽だろうか。残念ながら、娯楽だと思っているうちは、人口は減る一方だろう。

私は、そこにメスを刺せる人間でありたい。いずれは文部科学省で教育の予算を増やし、教員の待遇を上げ、子どもの学校に対する期待も上げたい。

だからこそ、現場の様子を見たい。何に困り、何をしてほしいのか知りたいと思う。

 

だからやっぱり教員採用試験に受からねばならないのだろうが、やはりやる気は出なかった。